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藤 永 覚 耶 | 作品制作、展覧会、その周辺について

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今回の愛知県美術館での展示についてのメモ。

展示を終えて、また会期中にレクチャーで考えをまとめて、確認したことなど。

僕の作品は作品単品よりもむしろ、空間の中で成立する絵画といえる。
ひとつは、距離によって認識が変わるという点。引けば全体の像が見えるが、近づくとアブストラクトな色彩のみになる。

IMG_9651_2000.jpg


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全体と部分の関係や、ゆらぎや不安定さがとても重要。

絵画だけど、それ単品ではなく、空間の中にあることで強まる絵画を目指している。見る者が距離を変えて動いたり、じっと眺めたりすることで空間の中でイメージの存在を確かめ、人と空間と作品が関係づくようなものを目指している。イメージが空間の中に存在感を持つということが大事。それは平面イメージであると同時に、空間の中にしっかりとモノとして"在る"。これまでも、パネルの側面にあるイメージも大事にしてきたが、モノとしての存在感を重視していたからかもしれない。

絶対的なものでなく、相対的なものとして作品とイメージを提示したい。それらを言葉に集約して"揺らぎ"という表現を使ったりする。
"イメージの揺らぎ"というコンセプトを話すと、映像はしないのかとたまに聞かれることがある。
映像は揺らぎの様態自体が一様で、それを見せるということになる。そうでなく、鑑賞者それぞれが主体的にそれぞれの感覚の中で動いたり、眺めたりしながら作品と関係を持つことを自分としては大事にしている。モノはひとつだが、それに対する人や環境のアクションで様々な見え方や揺らぎが発生するようなものを目指したい。

ホワイトキューブの展示室では、空間にそぐう5mクラスの大きなサイズの作品展示に加え、これまでやや抽象的にも見えがちな作品をイメージから、引くとこれまでよりも像が認識しやすいイメージづくりをした。また、大きいサイズと対象的に、小さなサイズの作品も織り交ぜ、空間を引き締めた。その試みは美術館の空間でうまく発動したように思う。

また画面に寄ったときに現れる色彩のひとつひとつは作品の中で重要な要素だ。
美術館備え付けのライトは、黄色味が強く、作品から感じる色味の幅を限定してしまう。
担当の学芸員の方にも相談し、今回はERCOという会社のLEDのライトを使用させてもらった。光が強く、フィルターで光の拡散の角度を調節できるというもので、作品に白みのフラットな光をあてることができ、感じる色域の幅が広がった。


さらに、ホワイトキューブの展示室の他に、廊下正面には自然光の入る空間を使えた。
ここには京都のギャラリーパルクやBIWAKOビエンナーレで展示した、矩形の自然光を反映したシリーズを詰めた作品を展示。

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自然光の光の状態が変わることで、作品の色彩も変化する。色彩とイメージは時間軸や空間の中で絶対的なものでなく相対的なものになってゆく。BIWAKOビエンナーレでも同じような形式で展示したが、空間に対し、作品サイズが大きく、また壁と接していたことで、壁のような印象も与えてしまった。
今回はその空間の中で、モノとして"在る"という感じが強くでるようなサイズとして高さ2.5mのモノリスのようなカタチをとった。
時間帯によった表情が異なる。午前はやわらかめの光で、だんだんと光量があがり、午後2時〜4時半頃は直射に近くややコントラストが強まる。4時半以降は静かな存在感があるイメージに。
光の関係でバランス良いのは12時〜2時ごろの時間帯。

最後に展示のタイトルについて聞かれることが多く、ちょっとだけ書いておく。
今回の展示タイトルは「空即是色」。もちろん、仏教観がテーマではなく、言葉として捉え直し、作品に引き寄せて再解釈したタイトルとなっている。

元々は仏教の言葉である「色即是空 空即是色」の後ろの部分だけを引用してタイトルにした。この言葉、僕自身もすべてを説明することはできないが、簡単に要約すると「この世に存在するあらゆる事物や現象はすべて実体ではなく、空無(仮の姿)であるということ」とある。
空とは無常観とか、実体のないものを指し示し、色とは色彩のことではなく、この世界に存在する事象や事物すべてを指している。

たまたまかもしれないが、僕たちが認識する世界すべてを表す言葉として「色」が使われているのが面白いと思っていて、「色」をColorと捉え直しタイトルに使った。英語にすると vanity is color といったところ。
そのように捉えると僕の作品を端的に表している言葉にように思えた。

愛知県美術館での展示は6月23日まで。
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2013.4.18-4.21 愛知県美術館 搬入 

2013/05/09
Thu. 00:59

愛知県美術館 APMoA Project, ARCH の搬入。

今回は搬入の内容はまる4日間を費やした。
ゆったりめの展示構成にしているが、計40m程度の壁面の展示作業やライティング。また、現地で2500mmのアクリルボックスを設営し、綿布を張る作業。そして、アトリエでは張るのが難しいため(あるいはアトリエからでなくなってしまうため)、長辺2300mmのパネル3枚に綿布をパネル張りする作業も現地でさせて頂いたため、時間がかかる搬入に。

大きい作品は一人ではどうしようもなく、4日のあいだに入れ替わり立ち代わり、友人の手を借りながらの搬入。

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アクリルボックスの設営。綿布同士をひっぱり、アクリルに張ってゆく。

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設営と固定。
固定だけは美術館に他の展示作業で来られていたヤマトロジテクスのプロの方に行ってもらった。

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展示室でのパネル張り作業。

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作品の規模を大きくしていくと、他人の助けが必須になることを改めて実感。

4日間つきあってくれた川村さん、
アクリル設営を手伝ってくれた松村さん、
アクリル固定とタフなパネル張り作業、手間のかかる展示作業をがっつりと手伝ってくれた木曾くん、矢島さん、
急な呼びかけにきてくれた谷村さん、東条さん、
固定作業をして頂いたヤマトロジテクスの方、
企画から段取りまで一人で担当して頂いた学芸員の中西さんに感謝。
本当にありがとうございました。

おかげで展示は満足のいく仕上がりに。

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愛知県美術館 "ARCH"の展示へ向けて 

2013/04/06
Sat. 14:00

久々の更新。
4/26からの愛知県美術館の若手紹介の企画"ARCH"での個展のため、制作の追い込み。

ARCHの展示はコレクション展と同じ並びの展示室6(壁面11-7-6-7m、天井高6m)とガラス越しに自然光が入る高さ3m、幅2.5mの場所。
自然光が入る場所では、高さ2.5m程度の矩形のアクリルボックスに布を張り込んだ新作(BIWAKOビエンナーレの作品の縦長のようなイメージ)。
展示室6では、パネルの幅5m弱の新作がメインとなる。

今年に入ってからはほぼ、仕事かこの展示のための制作という日々。。。

ここ3年ほどは、点で描いた染料インクを溶かすという手法を用いてイメージ(図像)を作っている。
これは色彩とイメージにゆらぎを持たせるための方法。
ひとつの単位(部分)としての色彩、それらが集合して立ち現れる全体としての像、その間のゆらめきが僕の作品の特徴といえる。その、展示空間の中で距離や環境によって起こる認識の揺らぎを通し、平面イメージ(絵画)と鑑賞者が関係をつようなものでありたい。

作品のモチーフに関しては、昨年の京都の個展以降色々考えるところもあり、新しい試みも考えていたが、せっかくの広い空間での展示なので、中途半端なことをするよりこれまでに培ったことを掘り下げた展示構成にした。

特に、色彩性と溶かす行為に関しては、ここへきての色々な発見もあり、作品の幅は広がっているように思う。

アクリルのタテ2.5mの作品(実際には側面もあるので3m程度)は溶かすのに4時間という時間をかけた。
これは、なるべく意図的な操作をせずに、溶かす溶剤となるアルコールが自然に浸透していくのにかかる時間だ。
一度固定されたインクの点は、ゆっくりと溶かされながら、動きを与えられる。そして、その移動の痕跡を綿布に残す。その溶かされている時間も含んだものとして、イメージが立ち現れる。

溶かし 部分

とかし4


溶かしの最中 部分イメージ


"APMoA Project, ARCH Vol.6" KAKUYA FUJINAGA 空即是色
4/26〜6/23 愛知県美術館にてプーシキン美術館展と同時開催。

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個展終了、BIWAKOビエンナーレへの制作 

2012/09/01
Sat. 16:35

 8月のパルク(京都)での個展は無事に終了。

 今回は久々に地元での個展ということもあり、かなりの頻度で会場に滞在し、訪れた様々な方と話をしたり、反応をみることができた。現段階でできることはやったつもりだったけれど、届いていること、届いていない点、色々なことを確認。
それはモチーフの選び方や、それだけでなく、コンセプトにしている描き方や過程そのものにも、まだまだブラッシュアップをかける余地があるということ。なぜ今まで気づかなかったんだろうと思えることもあった。
 今まで積み上げてきたものとその自負はあるけれど、先へ行くためにはそれをさらに整理してみる必要がある。アスリートのフォーム改造のようなものかもしれない。
次の1年くらいでそれを強度のあるかたちにしたいと思う。

 今は、9/15からはじまるBIWAKOビエンナーレ2012へ向けて制作を追い込み中。
今回は大胆なモチーフの変更などはしていないけれど、微細なところで描き方やイメージの作り方を少し変えている。


サンプル
(作品のためのテストピースの一部)


 BIWAKOビエンナーレ2012は9/15-11/4に近江商人屋敷等の日本家屋(近江八幡・五個荘一帯/滋賀)を中心に70名余の作家で展開される。
僕は五個荘会場の江戸後期に建てられた整形六間取の家屋(現金堂まちなみ保存交流館)二階で展示。


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(展示場所 現まちなみ保存交流会二階/五個荘・滋賀)


 パルクで展示した床置の作品の展開で、この部屋で窓のサイズ(1343×2868)に自立する厚み200mmを加えた作品サイズになる。
自然光のみで見せ、時間や光の移ろいとともに、イメージも相対的に変化してゆく。
空間に1点で見せる作品は、常懐荘での展示以来となり、かなり久しぶり。それのみと向き合えるのもなかなか気持ちがいい。
あと2週間ほど!

しばしの間、鑑賞者がイメージとじっくり向き合える空間にしたい。

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ギャラリーパルク、個展まで一週間 

2012/07/24
Tue. 23:43

来週より、ギャラリーパルクでの個展が始まる。
拠点を愛知から関西へ移してしばらく経つが、発表は愛知が中心だったので、地元の京都でようやく個展ができることが大変うれしい。
そして、さらにこの展示から次の活動へ繋げなければと考える。

2009年の末から2011年にかけては、発表の場所をギャラリー以外の場所に求めていた。フォーマットが出来上がっている安定的なホワイトキューブではなく、不安定な環境の中で空間と呼応するような平面イメージの在り方を模索してのこと。
色々なタイミングもあって、昨年秋までの2年ほどはギャラリーでの発表行っていなかった。
その後、昨年秋に久々に行った愛知のGALLERY GOHONの個展、今年の2月のMasayoshi Susuki Galleryでの個展を経て、現在は壁にかける絵画形式の重要性を再認識している。
展示方法や見せ方がアクロバティックだと、仕組みや方法に何割かの意識がいってしまいますが(制作者も鑑賞者も)、絵画形式はインクの使い方やイメージそのものと向き合う割合が高くなる。そこには、自分の技法で平面上でまだまだ追求できる余地があるように感じさせられた。

今回の展示では絵画の形式へ立ち戻るような平面作品、そして、これまでの空間での見せ方を踏まえた矩形を自然光で見せる作品を展開する。

そこにあるイメージを、ただ受け入れるような感覚で作品を見て頂ければ幸いです。

parc

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2018-12

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